Book Detail
大地と生きる住まい: 開墾地にみる農村住宅の近代化
Synopsis
あらすじ
米騒動から昭和に至る農民生活の実像に迫る 近代初期の開墾・開拓は、新たな農地や町を開発する殖産興業に加え、士族授産の意味が強かった。住宅の建設は一部を除いて移住者に委ねられ、入植者は厳しく過酷な住環境に置かれていた。 だが、米騒動を契機に政府は食糧増産のため耕地拡大策に着手する。入植者が開墾事業に専念し、事業を速やかに進めるためには住環境の充実が不可欠なため、開墾地の住宅や共同施設に対する改善支援を展開した。開墾地は最新の農村住宅と、公会堂や共同食堂、作業場など共同体としての設備を備えた「理想村」を目指した、まさに「農村の社宅」ともいうべき存在だった。 開墾地は往時は全国で4000地区弱、総戸数1万2000戸余りにのぼったが、すでに建設から80年以上が過ぎ、住宅の建て替えや世代交代も進み、当時の姿は消えつつある。 本書は長年の実地調査に加え、農林省刊行物や各地に残る開墾関係の公文書、図面資料を渉猟し、明治から大正期の米騒動を経て昭和に至る農民生活の実像を、具体的な生活の場となった建物を通して連続的に捉え直す。 《目次》 はじめに 第1部 近代開墾と農村生活改善 第1章 開墾地の住宅施策――農村住宅改善の先進地として(小沢朝江) 第2章 開墾地移住奨励制度の運用と実績(小沢朝江) 第3章 農林省が目指した「理想の農村」像(長田城治) 第2部 開墾地の住まいと生活 第1章 模範農村の先行例――山形県営萩野開墾地(小沢朝江) 第2章 『婦人之友』が報じた共同生活像――岩手県営岩崎開墾地(小沢朝江) 第3章 東北更新会が理想と評した新住宅――宮城県営広渕沼開墾地・短台耕地整理組合(小沢朝江) 第4章 農村指導者教育と開墾――福島県矢吹原開墾地(長田城治) 第5章 伝統民家から近代住宅への変貌――長野県常盤村中部耕地整理組合(小沢朝江) 第6章 松田喜一が指揮した共存共栄村――熊本県営昭和村南新地干拓地(長田城治) 第7章 今和次郎・竹内芳太郎設計による「理想的農家住宅」の実現――茨城県営新興農場(野村渉) 第8章 地区を超えた住宅改善の成果――兵庫県小束野耕地整理組合・西光寺野耕地整理組合(小沢朝江) 第3部 農村住宅改善の普及啓発を担う 第1章 開墾施策と指導者養成が協力した住宅改善の普及(野村渉) 第2章 開墾地移住奨励がもたらしたもの(小沢朝江) あとがき/参考文献一覧/初出一覧
Hitokoto
みんなのひとこと
まだひとことはありません。
Likes
そうだねしているユーザー
Recommendation