Book Detail

邪宗門

鬼沢哲朗

BookWalkerページ 検索へ

Synopsis

あらすじ

兄が語る天草四郎。天草四郎が倣ったイエス。そして兄自身も、ひょっとしたらその妹も。――あらゆる戦いとその敗北が、入れ子細工のように重なり合いながら織りなす、甘美で物悲しい青春の寓話。 学生時代のすべてを賭けて 文学の修行に沈潜する兄。 そんな兄の戦いを、隣の勉強部屋から見守る妹。 兄の構想する小説は、天草四郎にまつわる長編だった。 時は寛永。東洋の果ての小さな島国に、突然異国の宗門が花開いた。盲いていた心の眼は開かれた――だがしかし、そればかりではないのだ。 心の奇蹟はやがていつしか、現実の力となって発現した。人々は起ち、そして確かに破竹の勝利がもたらされたのだ。 そしてそれは、天草四郎ばかりではない。 四郎が倣ったイエスも。あまたの天才たちも。そしてあらゆる青春がまたそんなふうに、あるはずもない時代に狂い咲き、あまたの奇蹟をなした。 だがだとしたら彼らは、なぜついには敗れなければならなかったのか? あれほどまでに甘美にかがよう彼らの夢は、どうして崩れ去ったのか? そんな暗転の過程に自分はもっとも興味がある、と兄は言う。 だがしかしもしそうだとしたら、兄自身は一体どうなのか? 高校三年。大学二年。大学四年…… 天草四郎の生まれれ変わりを自称しながら、傲然と、才を恃んでいた兄。 青春のすべてを創作に注ぎ込む、禁欲と自虐の日々。 文学賞の落選を繰り返すうちに、そんな兄の面にいつか不安げな、やつれたような影が差し始める。 だとしたら兄はなぜ、敗れたのか? すべての青春の夢は、なぜ潰えなくてはならないのか? そこにあるのはやはり、安らかな敗北をいざなう悪魔の囁き?―― そんなふうに問いかけながら、妹はまるで兄の遺志を継ぐかのように筆を執る。――

Hitokoto

みんなのひとこと

まだひとことはありません。

Likes

そうだねしているユーザー

0 人表示

まだそうだねしているユーザーは見つかっていません。

Recommendation

この作品をそうだねしたユーザーは以下の作品をそうだねしています

一致 0 人

まだおすすめを出せるだけのそうだねがありません。