Book Detail
辞書と睡眠
Synopsis
あらすじ
定時制高校の事務員として働いている目方氏は、あるとき、一冊の古い辞書を手に入れる。目方氏が、学生食堂で辞書のページをめくっていると、一人の少女に声をかけられる。少女の名は、多々良ルリ子。いっけん普通の可愛い女の子に見えるルリ子は、ときおり、数週間も深く眠りこんでしまうという、不思議な病気にかかっていた。そしてそれは、ただ眠りこんでしまうだけの病気ではなかった…。 不条理な世界を生きるものたちの、いたみとゆらぎを描く物語。 *********** 「ほら、このあたり。【切腹】、【説伏】、【拙文】、【節分】、【接吻】、【絶壁】、【切片】、【雪片】、【切望】、【説法】、【絶望】、【舌鋒】、【節米】、【絶無】。まったくもって、でたらめでしょう」 「それって、でたらめって言うのかなぁ」 辞書のページに視線を落としたまま、目方氏は言った。 「それでですね。私は何やら、私たちが生きている世界すべてが、この辞書の中と同じように、まったくもって、でたらめにできているような気がするのです」 「それって、どういうこと?」 「まぁ、それほど、深い意味はありませんが。誰がどう生きようが、消えてしまおうが、世界はそんなこととは関係なく、ただでたらめに続いていくだけのことではないかと。私には、どうもそのように思われるのです」 「みんなでたらめに生きて、でたらめに消えてなくなっちゃうだけってこと? 私も、ママも、事務員さんも、寅吉も? でも、そんな風に考えたりして、事務員さん、怖くないの?」 (Capter27【でたらめ】より) ***********
Hitokoto
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