Book Detail
でもほら繁殖するしかないの
Synopsis
あらすじ
【ホラー(スプラッターホラー)中編】いつの頃からか母たちは壊れていく。壊れた母は、いくら殺しても蘇える。衝動に突き動かされ、獣性を抑えきれず、襲いかかってくる母。娘は自分もいずれそうなるのだ、と諦念にからめ取られながらも、狂った母を返り討ちにするために武器を手にする。殺さなければ、殺される。 ──殺さないと。 機嫌のよくなった母を、止めなければならない。 前回は父の当番だった。 そのまた前は弟の番だったが、部活の合宿で出ていたため私が代わった。 ちなみに欲しかったCD二枚で、その貸しはチャラになっている。 父も弟も、どこか泊まれる場所を確保できればいいが。 今日はいきなり母の機嫌がよくなっていた。 普段は予兆があるのだ。徐々に機嫌がよくなっていき、家族は気構えと実質的な準備ができる。 今朝家を出たときには、まったく母の感情に起伏はなかったのに。 明日の晩は、父が楽しみにしている大河ドラマの一挙放送がある。 それまでになんとかしておきたい。 母を殺してしまわないと、のんびりテレビを見ている状況ではないのである。 大河ドラマを録画しようにも、デッキには私が録り溜めているドラマがいくつかあって、余裕はない。 母の歌声が止み、けたたましい笑い声に取って代わる。 機嫌のよくなった母の獣性は、これからエスカレートしていくはずだ。それは毎度のことで、わかり切っていることである。 ──大丈夫、殺したところで母はすぐよみがえる。
Hitokoto
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