Book Detail
星待ち花の揺れる庭
Synopsis
あらすじ
昼は男性、夜は女性。艶かしくも美しいブロンドの主(あるじ)第三の目を持つ執事。角を持つ給仕の女性。黒猫に変化する庭師の少年。なぜロロが選ばれたのか、人外たちの住む世界はいったい!? 「さっきもいったけど、あたしはサムカ。本性は猛るもの」 「……はぁ」 なんのことか、とロロが間抜けな返答を返すと、サムカが帽子を取った。 彼女は頭部に一対の大きな白い角を持っていた。 赤毛をかき分けて生える角は、頭部に沿って湾曲している。 彼女の立派な角をロロは凝視し、硬直した。 「よろしく。……冷めないうちに、スープ飲んじゃいなさいね。おいしいよ」 驚いてしまい、ロロは反応を返せない。 少年が咳払いをした。 「俺、コルデワ。雑用だよ。たいてい庭で植木いじりやってる。本性は探るもの」 ロロは食器を取り落としそうになった。 着席していたコルデワが、紙を丸めるようにくしゃりと消えたのだ。 なにごとかと問う言葉を探していると、彼のいた席に金目の黒猫が現われ、テーブルに前足をかけた。 「わからないことがあったら、なんでも訊いてくれよ。力になるから」 艶やかな毛並みの黒猫が、コルデワの声音でしゃべる。 ぱくりと開いた口内の赤は、感心するほど鮮やかだ。 ロロはベルを見る。人間に見えるベルに、すがりたい気持ちだった。 「私の本性は裁くもの」 いって、ベルは手のひらでひたいをすり上げる。 するとそこに黒い瞳が出現し、何度か瞬いて消えた。 追いつめられた気分で、ロロはプールを見た。 男か女かわからない相手は、まなじりを下げると大口を開ける。 プールは見事な赤い炎を吐いた。 俺、よく気絶しないな──目にするすべてを、ロロは遠くに感じた。 「歓迎するよ、ロロ」
Hitokoto
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