桜の下にて春死なむ
あらすじ
「……生者にあらず、死者でもない。この身はあの桜と同じ、妖忌なるものよ」 全てを失った男は、放浪の旅の中で荒れた小さな寺にたどり着く。そこにあったのは、夏の終わりでも八分咲きのまま時を止めた桜と、その桜の下に佇む少女だった。 寺で暮らし始めた彼は、妖忌という名を与えられ、死を誘う桜の下に虚空を見る少女――ゆゆに、少しずつ惹かれていく。 それは、死に場所を求めた男が手に入れてしまった温もりと、死を誘うことしかできない少女が触れた温もり。 全ては、定められた結末へと進んでいくことも知らずに、ふたりは近付いてしまった。必然でしかない悲劇のために。 この物語は、失われた過去の欠片。 たとえ真実を求めることに、何の意味も無いのだとしても。 ――彼は確かに、そこにいたのだ。 これは、失ったものの物語。 魂魄妖忌と、西行寺幽々子の物語。
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